東山動植物園
園の展示に対する印象等はあくまで私個人の抱いたものになります。
展示の様子は撮影当時のものであり、現時点の様子と異なる場合があります。
ぜひ、実際に来園して確かめてみてください。
基本データ
所在地:愛知県名古屋市
飼育タヌキ:ホンドタヌキ
JAZA加盟園
開園:1937年(昭和12年) ※現在地移転後の開園年
展示
タヌキたちが展示されているのは『日本ゾーン』。
日本在来種の動物たちが暮らしている。
正門(東山公園駅)からも星ヶ丘門(星ヶ丘駅)からも10~15分程度歩くので、体力の配分には注意されたし。最寄りの門は彩景橋を渡ったところにある上池門、次点で植物園門。
2025.08 5月はバラ園が見頃になり、バラの香りが仄かに漂う。
タヌキの里の隣には休憩所があるので、疲れたらここで一服しよう(冷房と飲料自販機、給水器がある)。
2025.08 タヌキの里横の『お休処』。
2025.08 スカイタワーより撮影。夏なのでタヌキの里は木で何も見えない(冬にリベンジしたい)。
1997年(平成9年)の開園60周年記念イベント「生きいきフェスタ東山'97」に合わせて整備され、ほぼ現在の形となった。
日本産動物舎
タヌキを近い距離で観察できる。
繁殖や子育てを行うタヌキのペアが展示されているのはこちら。
4部屋の長屋式で、手前からタヌキ・タヌキ・アナグマ・キツネ(2025.08現在は空室)の展示スペースとなっている。
各展示スペースに室内展示と屋外展示がある。
2025.07 日本産動物舎外観。お休処側より。
2025.07 日本産動物舎外観。アナグマ・タヌキ展示スペースの間より。
2025.08 日本産動物舎掲示物。
お休処側の展示スペースとアナグマ側の展示スペースは出入り口・水飲み場などが鏡合わせの位置に配置されている。
写真の背景を見ると、個体識別の手がかりになるかもしれない。
2024.12 冬のお休処側展示スペース。左側の壁に室内との出入り口がある(手前は室内展示室、奥はバックヤードに直接繋がっている)。写真中央の排水口?の下にタヌキがいるよ(あこ)。
2025.02 冬のお休処側屋内展示スペース。あこが移動して少しさみしそうに見えるさりの背中。
2025.07 撮影。
「さり」と「ノビル」が食事をしている。
タヌキの里
日本の里山の様子を再現した展示スペース。
10頭以上のタヌキが暮らしており、互いに毛づくろいをしたり、タヌキ同士がくっついて眠ったり(通称「タヌキ団子」)する様子を観察できる。
2025.01 スカイビュートレイン(植物園門→正門ルート)より撮影 。
2025.08 スカイビュートレイン(植物園門→正門ルート)より撮影 。
※スカイビュートレインは正門と植物園門を繋ぐ園内モノレールである。片道or往復で園内を周遊することができる。
このうち、植物園門→正門ルートのレールが日本産動物舎とタヌキの里の間を通っているので、ちょっと上から視点で各獣舎を見下ろせる。
ただしこれは正門まで戻るルートのため、タヌキを見るには改めて日本ゾーンまで戻ってくる必要がある。
2025.09 タヌキの里地図
2025.1 冬の晴れた日はひなたぼっこをしているタヌキが多い (里右手奥の小屋の上)。
2025.5 ぜんぜんいない時もある(里右手奥の小屋の上)(2025.03ごろ板が張り替えられた。ありがとうございます。)。
2025.8 夏でも日陰になる時間はいる(里右手奥の小屋の上)(15時くらいから?)。
サクラ・サザンカ・ツバキなど花をつける木が植えられており、移り変わる季節とタヌキたちを見ることができる。
ぜひ時期を変えて訪れてみてほしい(植物園の椿・梅・桜もたいへん良い)。
2023.03 春、桜と狸 。
2025.03 冬の終わり、落椿と狸 (ゼンマイ♂)。
2025.02 冬、サザンカとタヌキ団子(里右手手前)。
クマザサの藪はタヌキたちが身を隠すのに適している(故に「タヌキいないねー」と素通りされることも…。タヌキ、いるよ!)。
2025.06 雨天+新緑で朝でも暗い日もある。
2025.08 飼育員さんの草刈りですっきりした里(風通しをよくして熱が籠もらないようにするためとか)。
その他タヌキ展示
動物会館
2025.08 東山で飼育されていたアフリカゾウ「チー」の全身骨格などが展示されている。
正門右手にある建物が動物会館である。
図書コーナーやレクチャーホールも併設されている。募金の受付もここだ。
タヌキの骨格標本と剥製標本が展示されている。
改修工事のため2025.09~2026.06頃まで閉館する。
2025.08 日本の里山に暮らす動物たちの標本。左にコアラの骨格標本も展示してある。
2025.08 タヌキの骨格標本と剥製標本。ちょっとニヒルな顔をしている。
標本の作成時期など詳細は記載なし。
動物会館自体は1985年(昭和60年)3月に完成した。
小鳥とリスの森
ニホンリスとメジロやシジュウカラといった小鳥がケージの中で放し飼いにされている。
出口手前のスペースにリスを中心とした日本産動物の展示コーナーがあり、ホンドタヌキの頭骨標本もある。
鳥インフルエンザ流行時は閉館する。
2025.07 頭骨の出自などは記載なし。マズルのラインに夏毛の輪郭を感じる。
家系図
管理人六が里内の血縁関係に混乱して、気合いで作った非公式な家系図。
2025.08時点でタヌキの里にいるタヌキはナデシコ以外すべて東山生まれである。
おまけ
タヌキ探し
こんなところにもタヌキがいるよ。
2025.07 日本ゾーンのお休処の給水器にタヌキがいるよ。
2025.08 動物会館の展示にもタヌキがいるよ。
2025.08 お休処のガラスにもタヌキがいるよ。
2025.08 東山公園駅3番出口の階段にもタヌキがいるよ。背中にリスさんがいるよ。
2025.08 東山公園駅3番出口の階段は向かい側にもタヌキがいるよ。
他にもタヌキを見つけたらぜひ教えてね。
資料
園内掲示
個体紹介の写真にズーボ(東山のマスコットキャラクター)マークがついている個体は東山生まれである。
2025.09 のびる(ノビル)の尾に毛が生えたことが追記された。
2025.08 こうぜい・のびる・さり個体紹介。
2025.01 とうふう・あこ転出のお知らせ。
2025.01 とうふう・こうぜい個体紹介。
2025.01 あこ・さり個体紹介。
東山動植物園情報誌「ひがしやま」
公益財団法人 東山公園協会発行。
2007年(平成19年)7月30日 第1号創刊。年4回発行。
36号からPDFで閲覧可能。図書コーナーで紙のバックナンバーが読める。
タヌキが載っているページを見つけたのでメモしておく。
2013年冬23号から「動物園のできごと」ページがなくなってしまった。
- 2007年6月16日 タヌキ2頭生まれる。
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ひがしやま02 動物園のできごと
- 2012年 メキシコ・チャプルテペック動物園からメキシコウサギが贈られ、東山動植物園からはカスミサンショウウオ、ホンドタヌキ、アカカンガルーが贈られた。→このタヌキに子どもが生まれた?参考にリンクを載せる
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ひがしやま22 動物園トピックス メキシコ・チャプルテペック動物園と姉妹動物園連携
- 2014年 ホンドタヌキの赤ちゃん産まれる。写真あり。
-
ひがしやま30 飼育だより
- 2017年6月ホンドタヌキ2腹14頭生まれる。11月親子共にタヌキの里へ移動、次期繁殖個体2ペアを日本産動物舎へ移動。写真あり。※ワラビ兄弟+ウルイ兄弟だと思われるが、実際の誕生日は5月16日。
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ひがしやま43 飼育だより
- 2020年動物園水族館雑誌62巻2号にホンドタヌキの論文が掲載される。おわり兄弟。参考にリンク掲載。
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ひがしやま55 飼育だより
https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/news/2020/12/post-496.html - 2021年5月13日ホンドタヌキ7頭産まれる。写真あり。はやなり兄弟と思われる。
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ひがしやま58 飼育だより
https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/news/2021/09/5-4.html - 犬歯の先端を人為的に丸くする例としてタヌキの里を挙げている。
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ひがしやま59 動物病院日誌Vol.58
https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/news/2021/12/59.html - ブログ「ホントウノタヌキトハ」第8回
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ひがしやま68 飼育だより
https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/news/2024/03/68.html - 飼育員さんの個体識別の様子(「ナデシコ」の写真あり)
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ひがしやま71 飼育だより
https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/news/2024/12/71.html
「東山動物園 友の会」会誌
公益財団法人 東山公園協会発行。
1986年(昭和61年) 第1号創刊。
2007年(平成19年)3月 第84号で発行が終了したようだ。
図書コーナーで紙のバックナンバーが読める。
タヌキが載っているページを見つけたのでメモしておく。
No.80から全ページフルカラーになった。
- タヌキの溜めフンについての記述
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1986-No.1 おもしろ動物行動学「フン」
- こども動物園で保護していたタヌキ2頭と新たに保護されたタヌキ1頭を合流させたところ、疥癬症が伝染してしまった事例とその治療
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1987-No.4 動物園獣医奮戦記「はだかになったタヌキ」
- 1956年(昭和31年)2月28 アメリカ・メンフィス市からビーバー2頭が贈られ、東山からは日本の代表的動物としてタヌキが贈られたという記述がある
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1987-No.5 東山動植物園開園50周年特集「5 昭和40年代の動物園」
- 1978年度(昭和53年度) アメリカ・ミルウォーキーへタヌキ2頭寄贈(年表より)
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1987-No.5 東山動植物園開園50周年特集「5 昭和40年代の動物園」
- こども動物園で飼育しているタヌキのオス2頭の様子に触れている(うち1頭はNo.4で疥癬症になったタヌキと思われる)。写真あり。
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1987-No.7 動物紹介 日本の野生動物(7)タヌキ
- 1992年8月30日 動物会館で開催された友の会例会の記録「タヌキとその仲間たち」 文化庁記念物課 池田啓氏
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1992-No.27 東山動物園友の会第22回例会公演記録
- 1994年6月26日 動物会館で開催された友の会例会の記録「アニマル・トラッキング入門 野生動物の観察法」 愛知学院大学 子安和弘氏
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1994-No.35 東山動物園友の会第27回例会公演記録
- 日本書紀のタヌキの記録について触れている
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1996-No.41 動物たちの日本史「変身」
- 1996年2月26日にオープンしたタヌキの里 3頭(♂1♀2)→4月3日10頭(♂5♀5)加わる→5月13日4頭加わる→17頭の大所帯に
当初から飼育されていた「ノリコ」は飼育員に馴れている。大食漢の「ブーリン」という個体もいたようだ(オス?)。 -
1996-No.41 東山ZOO NEWS「タヌキの里は大賑わい」
- 1996年?11月7日 オス個体「コソメ」タヌキの里に加わる 幼獣で保護され、飼育員に育てられる タヌキの里14頭
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1997-No.47 東山ZOO NEWS「タヌキの里の新入り」
- 「コソメ」タヌキの里になじめず、神経性脱毛から末端部舐性肉芽腫となり後ろ脚を噛んでしまい入院
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1997-No.48 動物病院だより「コソメの足」
- こども動物園 タヌキの里10頭
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1998-No.49 飼育レポート「生まれかわったこども動物園」
- 巻末の会員コーナーにタヌキの写真が掲載されている。野生個体か飼育個体なのかは不明(特に説明がない)。
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1998-No.51 会員コーナー 動物園めぐり「熱川バナナ・ワニ園」
- タヌキの里9頭
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2000-No.58 東山ZOO NEWS「タヌキの里」
- タヌキとキツネ
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2000-No.58 動物たちの日本史「古代・中世における動物の分類と動物観③」
- 植物「タヌキノショクダイ」「タヌキモ」「タヌキマメ」、きのこ「タヌキノチャブクロ」、魚「タヌキベラ」「タヌキハゼ」「タヌキメバル」「タヌキソコギス」、ウニ「ブンブクチャガマ」
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2004-No.74 動物たちの日本史「動物名のついた動植物①」
- タヌキやキツネ、ネコの目が暗闇で光ること→狐火など怪異の伝承との関連?
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2004-No.76 動物たちの日本史「光る動物」
- 戌年にちなんで東山で飼育しているイヌ科の動物の写真 ホンドタヌキ、シンリンオオカミ、ヤブイヌ、オオミミギツネ、フェネックギツネ、セグロジャッカル
-
2006-No.83 東山のイヌ科動物
- タヌキ・アナグマ・ムジナ・マミ どれがどの動物か問題が裁判になったことがある
-
2006-No.83 動物たちの日本史「動物をめぐる裁判」
「名古屋市 東山動物園」
名古屋教育通信社発行。
1964年(昭和39年)? 第1号創刊。
2007年(平成19年) 第433号が動物会館で確認できた最新号。
図書コーナーで紙のバックナンバーが読める(部分的に抜けや、表紙と目次のみコピーされた号がある)。
子どもの来園者に無料配布されていたリーフレット。
一応非公式な発行物のようだが、当時の飼育員のインタビューなどが掲載されており、資料的な価値は高いと感じる。
不定期に発行されていた時期があり、前後の号で同じページが使い回されていたりする。
タヌキが載っているページを見つけたのでメモしておく。
- 名古屋タイムズ社高城氏が中国湖南省に駐屯中、キツネに家畜のニワトリを盗まれたエピソード
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No.5 "狐と狸"
- イヌ科の動物 リカオン、オオカミ、キツネ、タヌキ(写真あり)
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No.62 僕達は仲間
- 1970年(昭和45年)10月24日にこども動物園が開園 日本産動物舎にはタヌキ、キツネ、ニホンザル、アナグマ、カワウソ、オオサンショウウオ、ムササビ、イタチ
1997年改修前の日本産動物舎の写真あり -
No.73 こども動物園
- イヌ科の動物 キツネ、タヌキ、オオカミ、ジャッカル、リカ院、ホッキョクギツネ(写真あり)
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No.106 イヌ科の動物
- 日本の哺乳類 タヌキ(写真あり)
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No.138 日本の動物(哺乳類)(その1)
- 日本産動物舎でタヌキが展示されていた、カワウソは外国産(獣舎写真あり)
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No.161 日本産動物舎
- イヌとその仲間たち(写真あり)
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No.182 イヌとその仲間たち
- イヌ科 キツネ、タヌキ、赤ちゃん(写真あり)
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No.213 イヌ科
- 絵本に出てきた生き物について、アライグマかタヌキかどちらが正しい?
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No.277 動物質問コーナー
- タヌキとアナグマの見分け方を教えてほしい(写真あり)
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No.291 動物質問コーナー
- タヌキの足跡(写真あり)
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No.305 この足あと、だーれ?
- タヌキについて紹介(写真あり)
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No.305 ムジナとタヌキとアナグマの関係は?
- タヌキの里19頭(写真あり)
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No.332 タヌキ寝入りって本当?
- 新こども動物園の紹介 タヌキの里 こども動物園の地図あり
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No.333 新こども動物園の紹介 サルの山
- タヌキの里15頭(写真あり)水飲み場の池はこの頃からあったようだ
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No.336 ズーム・イン・ZOO
- ホンドタヌキ(写真あり)
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No.336 日本の哺乳動物
- タヌキ(写真あり)
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No.337、338 東山の仲間たち
- ホンドタヌキ(写真あり)
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No.396 イヌの仲間
- アライグマとホンドタヌキ(写真あり)
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No.410 アライグマは洗たく上手?
- ホンドタヌキ(写真あり)
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No.410 東山動物園の肉食動物たち
参考
- タヌキの里公開(1997年3月16日完成式)「生きいきフェスタ東山'97」こども動物園改築に伴い整備
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東山動植物園開園60周年記念事業実行委員会 編. 生きいきフェスタ東山'97公式記録 : 東山動植物園開園60周年記念, 東山動植物園開園60周年記念事業実行委員会, 1997.10, 10.11501/14220479.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002672318 - おわり・みかわ・みの・しまの成長時の記録がJAZA雑誌に論文として掲載
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ホンドタヌキの自然哺育下における新生仔体重と成長に伴う体の変化
http://id.ndl.go.jp/bib/030701863 - メキシコ・チャプルテペック動物園で日本から贈られたタヌキのつがいの間に9匹の赤ちゃんが誕生した→2012年に東山から贈られたタヌキの子ども?
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メキシコ動物園でタヌキの赤ちゃん9匹誕生、両親は日本出身
https://www.afpbb.com/articles/-/3056762